■理事長挨拶

第27代理事長(2021〜23年期) 佐藤 百合

 2021年6月よりアジア政経学会(Japan Association for Asian Studies:JAAS)理事長の重責を担うことになりました。これから2年間、どうぞよろしくお願いいたします。
 本学会は、アジア地域に関わる学術的研究を推し進め、その成果を発表する場を提供し、活発な研究交流を促す組織です。この学会の特徴は、東アジア、東南アジア、南アジアを含めたアジア地域全体を対象としていること、政治、経済、社会、法、歴史などの社会科学の諸分野のディシプリン、理論的あるいは実証的なアプローチといった多様な研究を包摂していることにあります。このような本学会の特徴を活かして、会員の皆さんがより大きなメリットを感じていただけるように、学会の活動をさらに活性化していきたいと思っています。
 アジア政経学会が誕生したのは、1953年。戦後まだ間もない時期に、政治から距離をおいて実証的な学術としてのアジア研究を自由に行える場を創ろう、という草創期メンバーの熱意が本学会の設立という形に結実しました。今、それから70年近くが経とうとしています。最初の30年は学会としての確立期で、戦後日本におけるアジア研究の興隆と軌を一にして会員数は当初の50名から500名に拡大しました。次の30年は発展期で、学会誌がレフェリー制になり、大会や研究会が制度化され、学会ウェブサイトが立ち上がり、国際交流が始まり、優秀論文賞が創設されました。政府の補助金や法人会員収入はなくなりましたが、会員数が1300名を超え、会員からの会費で経常支出を賄える構造に転換できました。そしてちょうど60年目に、本学会は定款にもとづく一般財団法人となり、現在にいたる組織体制が整いました。営々と変革を積み重ねてこられた諸先輩方と会員の皆さん方に改めて頭の下がる思いです。
 ただ、60年を過ぎた本学会は、成熟期ともいうべき次の段階に入ったようです。日本の大学院生数が2010年代に減少に転じ、とりわけ社会科学で減少幅が大きいのと歩調を合わせるように、本学会の会員数も減少に転じました。量的拡大から質的充実へと舵を切るべく、大会では自由応募分科会を定着させ、樫山奨学財団からの助成で国際シンポジウムを定期化させるなどの工夫がなされました。
 その延長上にある今期は、次の三つを通じて質的充実と活性化を進めたいと考えています。第一は、本学会の特徴を活かした魅力ある企画を立てること。第二は、国内外の学会等との連携によって議論の幅を広げること。第三は、定例研究会で報告→大会で報告→学会誌に投稿、という若手会員のホップ・ステップ・ジャンプを意識的に鼓舞奨励すること。そして、2023年に迎える学会創設70周年の節目に、アジアの過去を振り返り未来を考え、アジア研究の国際水準を示すような場を提供したいと思います。
 会員の皆さんには、学会の活動に積極的に参加いただき、研究の成果を発表いただき、学会活性化に向けたアイデアや提案などをお聞かせいただきますように、ぜひともよろしくお願いいたします。

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