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梶谷懐会員
日本と中国、「脱近代」の誘惑―アジア的なものを再考する   著書名:日本と中国、「脱近代」の誘惑―アジア的なものを再考する
著者・編者:梶谷懐(神戸大学大学院経済学研究科)
発行年月:2015年06月
出版社名:太田出版

日中の安全保障上の緊張と、いま復活しつつある脱近代の思想「アジア主義」は無縁でない!グローバル資本主義にかえて「脱近代による救済」を訴え、「八紘一宇」や「帝国の復権」が露出する時代に、社会の息苦しさの原因を「外部」に求めない思想と行動の探究。

 
三重野文晴会員
金融システム改革と東南アジア 長期趨勢と企業金融の実証分析   著書名:金融システム改革と東南アジア 長期趨勢と企業金融の実証分析
著者・編者:三重野文晴
発行年月:2015年02月
出版社名:勁草書房

東南アジアでは東アジアと異なり金融と工業化との間の「かい離」が基盤的構造となった。その点から、東南アジアでは、金融システムの構造を決めているのは資金需要サイドであり、金融システムの構造変換は資金需要サイドを決める実物部門の構造変化に依存するところが多い。この点で本書は従来からの視点を転換する必要性を訴える。

 
伊藤正子会員、中野亜里会員、遠藤聡会員
原発輸出の欺瞞―日本とベトナム、「友好」関係の舞台裏   著書名:原発輸出の欺瞞―日本とベトナム、「友好」関係の舞台裏
著者:伊藤正子(京都大学)・吉井美知子(沖縄大学)
発行年月:2015年02月
出版社名:明石書店

東南アジア諸国のなかで唯一、日越両政府によって合意され、本格的に実行に移されようとしている日本からベトナムへの原発輸出について、日越双方の背景と問題点を解明する。輸入する側のベトナムの知識人(ハノイと原発建設地ニントゥアン省出身者)も執筆。

 
丸川知雄会員、梶谷懐会員
超大国・中国のゆくえ4 経済大国化の軋みとインパクト   著書名:超大国・中国のゆくえ4 経済大国化の軋みとインパクト
著者:丸川知雄(東京大学)・梶谷懐(神戸大学)
発行年月:2015年02月
出版社名:東京大学出版会

世界第二位の経済規模を誇り,経済超大国に向かって急速に台頭する中国.経済成長は持続するのか.国内にどのような軋みを抱え,海外にいかなるインパクトを及ぼしているのか.不確実性とダイナミズムに満ちた中国経済の実像に迫り,そのゆくえを展望する.

 
岡田 実会員
ぼくらの村からポリオが消えた 中国・山東省発「科学的現場主義」の国際協力   著書名:ぼくらの村からポリオが消えた 中国・山東省発「科学的現場主義」の国際協力
著者:岡田 実(JICA研究所)
発行年月:2014年02月10日
出版社名:佐伯印刷(株)出版事業部

「小児マヒ」の通称で知られるポリオ。日本においては1960年代にほぼ姿を消したものの、世界ではその後も猛威をふるい続けていた。なかでも、最も対応が急がれる国の一つだったのが、世界最大の人口と、貧しい農村地域を無数に抱えた中国だ。問題解決に乗り出した中国人と日本人の合同チームは、農村の深層に分け入り、ひたむきに真実を追究する。日中専門家の協力と国際社会からの支援によって、ポリオ撲滅の奇跡を達成した国際協力の記録。

 
伊藤正子会員
戦争記憶の政治学―韓国軍によるベトナム人戦時虐殺問題と和解への道   著書名:戦争記憶の政治学―韓国軍によるベトナム人戦時虐殺問題と和解への道
著者:伊藤正子(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
発行年月:2013年10月11日
出版社名:平凡社

ベトナム戦争で韓国軍が虐殺行為を行っていた−『ハンギョレ21』の告発は韓国世論を戦慄させ、事実の解明と謝罪を求めるNGOの活動と、「正義の戦争」に拘泥する保守派の反発を招いた。一方、被害者であるはずのベトナム政府は経済発展を優先し、事件を封印している。戦争をめぐる記憶のあり方は、同様の問題をいまだ抱える日本にも新たな視座を提供する。

 
鈴木隆会員、田中周会員、小原江里香会員、角崎信也会員
転換期中国の政治と社会集団   著書名:転換期中国の政治と社会集団
著者:鈴木隆(愛知県立大学)・田中周(早稲田大学)編
発行年月:2013年10月
出版社名:国際書院

エリートと大衆、都市と農村の断層などを抱えながら、中国は劇的な変化を続けている。本書ではさまざまな専門領域・問題意識から社会集団の変化の実態を明らかにし、社会の側から国家・社会関係の変容を考察する。

 
遠藤正敬会員
戸籍と国籍の近現代史 民族・血統・日本人   著書名:戸籍と国籍の近現代史 民族・血統・日本人
著者:遠藤正敬(早稲田大学)
発行年月:2013年9月30日
出版社名:明石書店

日本国家は歴史的に「国籍」のみならず「民族」「血統」といった概念を、「戸籍」という装置を用いて操作してきた。戸籍は東アジアにおける伝統的な身分登録制度であるが、これが近代日本においていかにして「日本人」をめぐる対外的・対内的な境界線を多層的に形成し、「日本人」を支配してきたのか。その一方、人の越境的移動が活発化し、多様な「血」の混淆が進行する近代社会のダイナミズムに際して戸籍による「国民」統合はいかなる矛盾を抱えてきたのか。日本独自ともいわれる戸籍制度の存在意義を問うことによって、「民族」「血統」とは、そして「日本人」とは何であるのかを再考する。

 
嶋田晴行会員
現代アフガニスタン史−国家建設の矛盾と可能性   著書名:現代アフガニスタン史−国家建設の矛盾と可能性
著者:嶋田晴行(JICA南アジア部)
発行年月:2013年07月30日
出版社名:明石書店

9.11以降、再び世界の注目を浴びるようになったアフガニスタンは、元々「国家」としてのまとまりがある領域ではない。ではなぜ欧米や国連といった国際機関、そして日本は国家建設を支援してきたのか?それにもかかわらず、なぜその試みは成功しないのか?主に2001年以降の「アフガニスタン」の国家建設とそれへの支援を題材に、「国際社会」と呼ばれる外部の理念と当地の現実との乖離を浮き彫りにすることを目指した書である。

 
舛谷鋭会員、豊田三佳会員、高安健一会員、駒見一善会員
シンガポールを知るための65章   著書名:シンガポールを知るための65章
著者:田村慶子(北九州市立大学)
発行年月:2013年5月25日
出版社名:明石書店

初版『シンガポールを知るための60章』、第二版『シンガポールを知るための62章』に続く第三版である。この第三版では、シンガポールの歴史、社会、文化、暮らし、経済、政治や国際関係など従来の内容に加え、2011年5月総選挙とその後の政治変動、政府の近年の文化振興政策によって盛んになった演劇、映画、文学についての章を加味して、より充実したものとなった。「シンガポール地名あれこれ」や「シンガポール初の五輪選手」など短いコラムも6つ掲載している。

 
田村慶子会員
多民族国家シンガポールの政治と言語:「消滅」した南洋大学の25年   著書名:多民族国家シンガポールの政治と言語:「消滅」した南洋大学の25年
著者:田村慶子(北九州市立大学)
発行年月:2013年3月26日
出版社名:明石書店

シンガポールで1956年に開学して1980年に「消滅」した、南洋大学という私立の華語大学(華語を主な教育言語とする大学)の歴史的役割と意義を、独立へ向かうイギリス自治領シンガポールおよび、独立シンガポール国家の生き残り政策と国民統合政策、隣国マラヤ連邦(後のマレーシア連邦)や植民地宗主国イギリスとの関係、アジア冷戦の深化という国際関係のなかで、分析した研究書である。

遠藤 元会員
Diversifying Retail and Distribution in Thailand   著書名:Diversifying Retail and Distribution in Thailand
著者:Endo Gen(遠藤 元・大東文化大学
発行年月:2013年2月
出版社名:Silkworm Books

This book analyzes Thailand's retail structure in the light of its entire distribution system, examining how changes have affected not only horizontal, competitive relationships between modern and traditional retailers, but also vertical relationships with manufacturers and wholesalers. Rather than focusing narrowly on the urban middle-class consumer market, he considers the markets' income differentials-the "mosaic structure"-which is an indispensable framework for discussing the retail and consumption practices of an emerging economy.