加藤弘之『中国経済学入門』との対話のご案内


中国経済経営学会・アジア政経学会・日本現代中国学会合同企画


【趣旨】
 2016年8月30日、加藤弘之神戸大学教授が亡くなった。61歳の誕生日を目前にしての余りに早い死であった。不幸中の幸いは、加藤教授が「私にとっての最高傑作」と自負する『中国経済学入門』(名古屋大学出版会、2016年)を亡くなる数か月前に遺していったことである。中国の独自性を解明する「学」の樹立をめざした本書のなかで、加藤教授は「筆者の思考がいまだ荒削りな段階であり、より洗練された理論的な叙述は、後進に委ねるほかない」と書いている。死期が近いことを意識し、本書の問題提起を、遺された研究者たちが受け止めて発展させてほしいという強い願いが込められた一文である。
 『中国経済学入門』は、曖昧な制度にこそ中国の独自性と発展性の核心があるという仮説のもと、土地の集団所有、地方政府間の競争、企業の混合所有制、中国式のイノベーションなどの事例から、曖昧さが中国の発展に積極的な意義を持っていることを例証している。他方で、汚職と格差の問題に、曖昧な制度の持つ弊害を見ている。
 『中国経済学入門』は、中国研究によって経済学を革新しようという野心的な目標に向けた第一歩と位置づけられており、タイトルの「入門」にはその意図が込められている。加藤教授が遺したこのバトンをどう受け取るのか。
 本企画分科会では、『中国経済学入門』をどう読むか、そのメッセージをどう受け取ったのかを学問分野や研究対象地域の枠を超え、さまざまな角度から議論したい。本分科会ではいわゆる「報告者」は『中国経済学入門』で、登壇者はすべてそれに対するコメンテーターという位置づけである。登壇者以外からも『中国経済学入門』に対する積極的な発言を期待する。なお、本企画分科会は中国経済経営学会の大会のなかで開催されますが、アジア政経学会と日本現代中国学会の会員も自由に参加できます。

日 時 2016年11月6日(日) 13:30〜16:00
場 所 慶應義塾大学三田キャンパス 西校舎527教室(予定)
    https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html
登壇者:毛里和子(早稲田大学名誉教授) 
中兼和津次(東京大学名誉教授) 
菱田雅晴(法政大学)      
川端 望(東北大学)      
司 会:丸川知雄(東京大学)

[掲載期日] 2016年11月16日まで


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